安全管理審査制度

「安全管理審査実施要領(内規)の制定について」及び
「登録安全管理審査機関による安全管理審査の実施に関する指針」の制定について

(1)安全管理審査導入時の趣旨

電気工作物に係る保安の水準が電気工作物の種類や規模等に依存する潜在的危険のみで決まるものではなく、設置者の安全管理体制にも左右されるものであることを踏まえ、当該安全管理体制について国が審査し、設置者の自主検査を補完するとともに、設置者の保安に係る取組を促すことを目的として、平成12年7月から施行されています。
過去、事業用電気工作物の保安確保にあたり、電気事業法では、国が電気工作物の技術基準適合性等を直接確認する規制体系をとってきました。
具体的には、一定の事業用電気工作物については、工事計画の認可・届出に係らしめるとともに、通商産業大臣が使用前検査・溶接検査・定期検査を行ってきたのです。
しかしながら、近年の技術進歩・設置者等による自主的な保安確保のための取組の浸透等を背景として、国が直接電気工作物の技術基準適合性等を確認するのではなく、設置者等の自己責任の下で保安確保のための取組をより一層推進することを促すことの方がより合理的な規制体系であると考えられるようになりました。
このような考え方に基づき、平成11年の通常国会において電気事業法が改正され、安全管理審査制度が導入されました。安全管理審査制度の骨格は以下のとおりです。

  1. 国が直接事業用電気工作物の技術基準適合性等を検査する規制をなくし、代わって、設置者が法定事業者検査を行って技術基準適合性等を確認し、検査記録を保存することが義務づけられます。
  2. 設置者は、a.で行った法定事業者検査の体制(組織、検査方法、工程管理等)について、国の審査を受けることが義務づけられます。
  3. 国は、審査結果に基づいて設置者の法定事業者検査体制を評定し、設置者に通知します。

(2)安全管理審査に係る設備

安全管理審査の対象となるのは、法定事業者検査(使用前自主検査、溶接自主検査、定期自主検査)を実施した設置者です。
法定事業者検査のうち、使用前自主検査を実施することが必要となる電気工作物は、工事計画届出書を提出した電気工作物で、これらの電気工作物については、使用前自主検査→安全管理審査が実施されることになります。

(3)安全管理審査の受審

法定事業者検査のうち、使用前自主検査を実施した電気工作物については、個々の使用前自主検査が適切な方法で処理されたか否かを判断するという観点から設定された「個別管理実施者及び法定自主検査の工程中に係る安全管理審査基準及び審査項目」が適用されます(個別安全管理審査)。

(4)個別安全管理審査

個別安全管理審査においては、使用前自主検査の実施方法が適切か否かについて、下記項目について審査されます。

  1. 検査の実施に係る組織
  2. 検査の方法
  3. 工程管理
  4. 検査において協力した事業者がある場合は当該事業者の管理に関する事項
  5. 検査記録の管理に関する事項
  6. 検査に係る教育訓練に関する事項

(5)安全管理審査の処理手順

1.申請

設置者は電気事業法に基づき安全管理審査を受審すべき時期に安全管理審査の申請を行います。

  1. 直近の通知で優良通知を受けている組織(直近の通知を受けてから3年を超えない時期に使用前自主検査を実施した組織に限る)。
    直近の通知を受けてから3年~3年3か月の間に安全管理審査を受審しなければなりません。

  2. a.以外の組織
    使用前自主検査を行う時期ごとに安全管理審査を受審しなければなりません。
    具体的には、水力発電所のダムについては使用前自主検査実施中、それ以外の設備については使用前自主検査終了後遅滞なく(原則1月程度)受審することが義務づけられます。

2.審査体制

安全管理審査は、原則、文書審査・実地審査・評価の全てが行われます。
文書審査においては、申請者の協力を得られる限り、関係資料の提出を受け、電気工作物設置者の法定事業者検査に係る社内組織体制、電気工作物設置者の関係文書の整備状況等を確認するものとします。
実地審査においては、電気工作物設置者の組織体制・文書整備状況等について文書審査で確認できなかった点の確認、事業者があらかじめ規定した検査実施体制・検査実施方法等どおりに法定事業者検査が行われたか否か、適切な方法で法定事業者検査が行われたか否かについて、検査記録・検査関係者からの聞き取りによる確認、等が行われるものとされています。
審査は、原則、法定事業者検査が実施された事業所等で行なわれます。但し、検査記録が法定事業者検査が実施された事業所等と異なる場所で保管されている場合には、記録が保管されている場所においても併せて行われるものとされています。

3.評定・通知・その他

個別安全管理審査を実施した組織(直近のシステム安全管理審査において優良通知を受けている組織を除く。)については、安全管理審査終了後、良、否の通知が行なわれます。
個々の使用前自主検査が適切になされたと判断されても、優良評定はあくまでも優良な法定事業者検査実施体制を構築している組織に対してのみ下されるものであるため、優良評定が下されることはありません。
他方、個別安全管理審査で個々の使用前自主検査が適切に行われていないと判断されたときには、電気事業法違反として罰則等に問われうることになります。